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4)ストレス状態、ストレス関連疾患に対する治療法として

(4)ストレス状態の人

番号 対象疾患 著者 タイトル 日本語タイトル 推奨度 有用性 有害事象 医療経済性 ドロップアウト 特記事項
1 2013 ストレス関連愁訴、疾患をもつ成人 Kohn, M. Medical Yoga for Patients with Stress-Related Symptoms and Diagnoses in Primary Health Care: A Randomized Controlled Trial.Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine Volume 2013 (2013), プライマリーケアでのストレス関連症状および疾患患者に対する医学ヨーガ:RCT プライマリーケアレベルでのストレス関連疾患患者の治療として、通常の治療に医学的ヨーガを併用することを(1)勧める。 1回1時間、週に1回、12週の医学ヨーガ。通常治療にヨーガを併用した群では、通常治療群より自覚的ストレス(PSS:36.3→18.7)不安、不眠、全般的健康状態がより改善したため、医学的ヨーガの併用は有用。ただし痛み、燃え尽き状態に差はなし。  ヨーガ群の5名(28%)がヨーガに関連して不快な事象を述べた。 (言及なし) 20名中2名(10%) ●不快な事象:自分の内面的な感情に触れることによる緊張感、自分自身で管理しないといけないことによる負担感。●医学ヨーガ:通常よりゆったりした動作で行なうと言う工夫あり。注:参加者の83%が女性。
2 2012 悩む成人女性 Michalsen, A. Iyengar Yoga for Distressed Women: A 3-Armed Randomized Controlled Trial.Evid Based Complement Alternat Med. 2012; 2012: 408727 悩む女性に対するアイアンガーヨガ:3アームRCT 悩む女性に対して、週1回、3ヶ月のアイアンガーヨーガを(1)勧める。臨床効果を得るためにヨーガ教室に行くのは週2回でなくとも、週に1回で十分。 1回90分、週に1ないし2回のアイアンガーヨーガ+H、12週。ヨーガは悩む(distressed)女性の自覚的ストレス(PSS 34.0→27.3)、不安、抑うつ(CES-D 22.3→18.1)、怒りが低下し,精神症状が改善、幸福感が増加した。 なし (言及なし) 24名中4名(16.6%) 週に1回のクラスの方が、週に2回クラスより参加率が高く、効果が同程度であることから、ヨーガによるストレス軽減のための臨床効果を発揮するためには、クラス参加は週に1回で十分と考えられる。
3 2012 戦地の兵士 Stoller,C.C. Effects of Sensory-Enhanced Yoga on Symptoms of Combat Stress in Deployed Military Personnel, The American Journal of Occupational Therapy, 2012, 66, p59-68 戦地に配属された兵士における戦争ストレスによる症状に対する感覚増強ヨーガ(sensory-enhanced yoga)の効果 戦闘ストレスによる不安の軽減のために、sensory-enhanced yogaを(1)勧める。 1回75分、3週間で9回以上のヨーガプログラム参加。前線の兵士の抱える状態不安・特性不安やQOL、特に睡眠を改善する効果がある。知覚処理の正常化に役立つとは言えない。 (言及なし) (言及なし) なし。 PTSDに移行する事態を防げる可能性がある。
4 2011 軽度?中等度のストレス、抑うつ、不安のある大学生 Smith, J.A. Is there more to yoga than exercise? Alternative therapies, 2011, 17, 3: 22-29 ヨーガは運動以上のものか。 軽度から中等度の抑うつ、不安、ストレスを抱える大学生に対して、ヨーガを(1)勧める。 1回1時間、週に2回、8週の(1)運動としてのヨーガ、(2)倫理、霊的側面まで含めたヨーガの効果の比較。両群とも同程度に抑うつ、疲労、ストレスを軽減し、希望が増した。違い:統合ヨーガ群のみで不安が軽減、唾液コルチゾールが低下。 (言及なし) (言及なし) (1)運動としての群:15名中5名(33%)。(2)統合的群では34名中1名(3%)。
5 2010 心的外傷ストレスを受けた成人男性 Telles, S. Post traumatic stress symptoms and heart rate variability in Bihar flood survivors following yoga: a randomized controlled study. BMC Psychiatry 2010, 10:18 ビハール洪水生存者におけるヨーガ後の外傷後ストレス症状と心拍変動:RCT 自然災害による心的外傷ストレスを受けた者に対するヨーガを(2)条件付きで勧める。 1日1時間、1週間パタンジャリヨーガを行なうと、震災1ヵ月後の心的外傷ストレスをうけた者の悲しみを減らし不安の増加を妨げる効果があった。 (言及なし) (言及なし) なし。 1週間と言う短期間の介入試験。長期効果は不明である。
6 2007 軽度?中等度のストレスを持つ成人(平均44歳) Smith C, Hancock H, Blake-Mortimer J, Eckert K. A randomised comparative trial of yoga and relaxation to reduce stress and anxiety. Complement Ther Med. 2007 Jun;15(2):77-83. ストレスや不安を軽減するためのヨーガとリラクゼーションのRCT ストレスを抱える成人のストレスと不安を改善するために、ハタヨーガを(1)勧める。 1日1時間、週1回、10週のプログラム。ハタヨーガはストレスを抱える成人のストレスと不安を改善し、QOLを改善する。 (言及なし) (言及なし) 68人中10人(14.7%) フォローアップ期間に練習を続けていた人の割合は漸進的筋弛緩法で64%、ヨーガで42%と、筋弛緩法の方が有意に継続していた。注:参加者の83%が女性。
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