> トップページ − 4. ヨガ − (2) ストレス関連疾患に対するヨガの有用性に関するエビデンス
9)がん
(9)がん
番号 | 年 | 対象疾患 | 著者 | タイトル | 日本語タイトル | 推奨度 | 有用性 C:コントロール | 有害事象 | 医療経済性 | ドロップアウト | 特記事項 |
1 | 2012 | がん患者(乳がん、消化管がん等多彩) | Dhruva, A. | Yoga breathing for cancer chemotherapy-associated symptoms and quality of life:results of a pilot randomized controlled trial. Journal of Alternative and Complementary Medicine 18,473-79,2012 | がん化学療法に関連する症状とQOLに対するヨガの呼吸法:パイロットRCT | 化学療法を受けているがん患者の睡眠障害、不安、精神的QOLを改善する目的で、プラナヤーマの練習を(1)勧める。 | 1回1時間+1日2回のH。化学療法を受けているがん患者で、プラナヤーマの練習は睡眠障害、不安、精神的QOLを改善するが、疲労、抑うつに対しては効果がない。 | なし | (言及なし) | 9人中1人(11%) | |
2 | 2012 | 乳がん生存者の疲労 | Bower JE | Yoga for Persistent Fatigue in Breast Cancer Survivors. Cancer Cancer. 2012 Aug 1;118(15):3766-75 | 乳がん生存者の疲労に対するヨーガ | 乳がん生存者の、遷延する癌に関連した疲労に対して、注意深く工夫されたヨーガプログラムを行なうことを、(1)勧める。 | 1回90分、週に2回、12週のプログラム。ヨーガ群では、C群よりも倦怠感が軽減し、活気が上昇した。自覚ストレス、睡眠、抑うつに関しては差なし。 | 16名中1名(背部疾患の既往)が、ヨーガ中に背中の痙攣を訴えた。しかし介入終了までヨーガを継続できた。 | (言及なし) | 16名中2名(13%) | 自覚ストレス、睡眠、抑うつに関しては両群で差なし。 |
3 | 2011 | 乳がん生存者の疲労 | Banasik J | Effect of Iyengar yoga practice on fatigue and diurnal salivary cortisol concentration in breast cancer survivors. J Am Acad Nurse Pract 2011;23:135-142. | 乳がん生存者の疲労とコルチゾール概日濃度に対するアイアンガーヨーガ練習の効果 | 乳癌生存者の疲労に対してアイアンガーヨーガを(2)条件付きで勧める。 | 1回90分、週に2回、8週のアイアンガーヨーガプログラム。ヨーガ群では介入後、疲労得点が低下し、情緒的健康度が増加したが、C群では変化がなかった。またヨーガ群では介入後、朝と午後5時の唾液コルチゾール値が低下したが、C群では変化なかった。 | (言及なし) | (言及なし) | 9人中2人(22%)、スケジュール上の問題 | |
4 | 2009 | 早期乳がん患者 | Rao MR | Anxiolytic effects of a yoga program in early breast cancer patients undergoing conventional treatment: A randomized controlled trial. Complement Ther Med 2009;17:1-8. | 通常治療を受けている初期乳がん患者に対するヨーガプログラムの不安減弱効果:RCT | 乳がん患者の不安を軽減するために統合ヨーガを(1)勧める。 | 24週の統合ヨーガプログラム。ヨーガ群はC群に比べて状態不安、特性不安得点、症状による苦痛が有意に減少した。不安得点と症状の重症度、苦痛の程度は正の相関。 | (言及なし) | (言及なし) | 45名中27名。ただしヨーガによる脱落か、治療による脱落かは不明。 | 乳がん患者の治療中の不安を減弱 |
5 | 2007 | 放射線療法を受ける乳がん女性 | Banerjee B | Effects of an integrated yoga program in modulating psychological stress and radiation-induced genotoxic stress in breast cancer patients undergoing radiotherapy. Integr Cancer Ther 2007;6:242-250. | 68名の放射線療法を受ける乳がん女性の自覚ストレスレベル、不安、抑うつ、DNA損傷に対する統合的ヨーガプログラムの調整効果 | 放射線療法中の乳がん患者の不安、抑うつ、ストレス改善のために、統合的ヨーガを(1)勧める。 | 1回90分、6週間のプログラム、6週の放射線療法を受ける前後でC群と比較。C群では自覚ストレスは変わらなかったが、不安,抑うつが増加したが、ヨーガ群ではいずれの項目も低下(PSS20.4→14.9)。放射線療法によるDNA損傷の増大もヨーガ群で少なかった。 | (言及なし) | (言及なし) | なし | がん患者(病気、副作用、宗教)に配慮したプログラム。DNA損傷の割合がC群より14%低かったのが興味深い。 |
6 | 2004 | リンパ腫患者 | Cohen, L. | Psychological Adjustment and Sleep Quality in a Randomized Trial of the Effects of a Tibetan Yoga Intervention in Patients with Lymphoma. 2004 Cancer 100, 2253-2260 | リンパ腫患者のチベットヨーガのRCT介入における心理的適応と睡眠の質 | リンパ腫患者に対してチベットヨーガプログラムを(2)条件付きで勧める。 | 毎週1回、7週のプログラム。チベットヨーガはC群に比べ、リンパ腫患者の睡眠に対して有効であるが、心理的適応、不安、抑うつ、疲労に関しては差がなかった。 | なし | ヨーガ群で睡眠薬の使用頻度減った。 | 20名中1名(5%) | 心理的適応、不安、抑うつ、疲労に関しては両群で差がなかった。 |