> トップページ − 4. ヨガ − (2) ストレス関連疾患に対するヨガの有用性に関するエビデンス

3)ストレス状態、ストレス関連疾患に対する治療法として

(3)健康な高齢者

番号 対象疾患 著者 タイトル 日本語タイトル 推奨度 有用性 有害事象 医療経済性 脱落 特記事項
1 2009 高齢者(平均69歳) Chen KM Sleep quality, depression state, and health status of older adults after silver yoga exercises: Cluster randomized trial. Int J Nurs Stud 2009;46:154-163. シルバーヨーガ運動後の高齢者の睡眠の質、抑うつ、健康状態 高齢者のメンタルヘルス向上のためにシルバーヨーガを(1)勧める。 1回70分、週に3回、6ヶ月のシルバーヨーガプログラムを行なった群は、C群に比べ、睡眠改善(睡眠の質がすぐれ、睡眠潜時が短く、日中の機能不全が低下)。身体的、精神的健康認知得点が高く、うつ得点が低かった。 なし (言及なし) 67名中3名(5%)、ヨーガによる脱落ではない。 これらの効果は介入3ヶ月後から現れる。シルバーヨーガは高齢者用に開発され、実施中も無理なストレッチはしない等の注意喚起が強調されている。有害事象がないのは、それらの配慮によるだろう。
2 2006 高齢者(平均71歳) Oken BS, Randomized, controlled, six-month trial of yoga in healthy seniors: Effects on cognition and quality of life. Altern Ther Health Med 2006;12:40-47. 健康な高齢者における6ヶ月ヨーガRCT:認知と生活の質に及ぼす影響 健康な高齢者に対してアイアンガーヨーガを(2)条件付きで勧める。運動能力改善、全般的QOL改善の意義があるが、認知機能は向上しない。 1回90分、週1回+H、6ケ月のアイアンガーヨーガプログラム。ヨーガプログラム前後で認知機能変化なし。ヨーガ群は有酸素運動群,C(待機)群より、SF-36項目の活力、身体的日常役割機能、体の痛み、社会機能がより改善。またヨーガ群では片足だちの時間や座った姿勢での柔軟性が向上した(ヨーガで身体機能が改善した)が、運動群では介入前後で差がなし。
44名中そけい部の筋肉のつっぱりを訴えたものが1名。 (言及なし) 44名中6名(14%)。理由はヨーガの有害事象によるものではない。 アイアンガーヨーガであるが、おだやかに行なうことを強調している。6ヶ月のアイアンガーヨーガは認知機能には影響を与えなかったが、運動群やコントロール群に比べて、生活の質と身体機能の改善には有用であることを示した。高齢者にとってはバランス能力改善、運動能力改善は意味がある。注:参加者の70%が女性。

高齢者に対してはシルバーヨーガのような、特別な配慮が必要であろう。

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